推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

成長

前にも書いたように私が田中圭という俳優に心を捕まれたのは2011年の「家族に乾杯」だが、彼の出演作を初めてちゃんと観たのは、それより前の2009年、「TAJOMARU」だった。ずっと地道に小栗旬さんを応援している友達がいて、一緒に観ることになったのだ。その時は三人で観たのだが、観終わった時の感想は三人とも(うーん)だった。時代劇慣れしている松方弘樹さんの存在感が凄いという話になり、「敵役が弱いよねぇ」と、私はその時自分が言ったことをはっきりと憶えている。当時、全く同じ時期に松山ケンイチさん主演の「カムイ外伝」が公開されており、スケール感や演出のタッチが好きで、私はそちらに肩入れしていた。
あの時なぜ田中圭の良さに気付かなかったのだろう?とか、あの時彼を見出だせなかった自分に腹が立つとかは全く無い。「その時」ではなかったのだと思う。
翌年、NHKの「チェイス 国税査察官」というドラマで再び圭さんを見た。このドラマは素晴らしく面白くてどっぷりはまったが、圭さんはああそう言えば出てたなぁという程度で、取り立てて印象がない。何と言っても井浦新さん(当時はARATA)の醸し出す色気が凄かった。脚本が坂元裕二さんであることは後で知った。
このように、私は幾度か俳優田中圭出演作に出会いながら、本当の出会いまで時間を要した。
そして、出会ってからも道のりは長かった。段々と彼の演技の肝のようなものがわかってきた。彼の演技は細かい。「ね、今の見た?」と周囲に確認したくなるようなさりげない演技。見方を変えれば、芝居が上手いとわからせないような自然さ。彼の言葉を借りれば、「その役を演じるのではなく、その人を生きる」演技。それが彼の目指すところであると知ったが、世の中は「これが演技だ!」というような熱演を称賛する傾向が根強い。
彼自身が目指すものと、自分に求められるものの距離をどうやって埋めるか?私はまだ私が観てみたい彼のドラマに出会っていない。このことを考え始めると奥が深いので、次回もこの続きを書きたいと思う。