推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

胸に沁みる音楽

大昔の話になるが、私は中学校の3年間吹奏楽部に所属していた。1年生の頃は打楽器部門であまり馴染めず、上手く出来ない自分に落ち込むことも多かったが、途中でホルンに変更になり、その後は楽しく続けることが出来た。講師は学校の先生ではなく外部から雇われて来た専門家だったので、吹奏楽に対する情熱は半端無かった。練習は毎日で、厳しく叱られたりもしたが、辞めようとは思わなかった。なぜ続いたのか?

それは、一人で又はホルンパートのメンバーで伴奏部分だけを練習した後、全員で合わせた時の何とも言えない高揚感にあった。こういう曲だったんだぁ、と曲が自分の身体に入って来る多幸感はたまらなかった。

吹奏楽コンクールというものがあり、成績はいい時も悪い時もあったが、近畿大会の決勝(?)で大阪市の厚生年金会館で演奏した時のことは今でもはっきりとおぼえている。リハーサルで舞台に上がった時、今まで演奏してきた会場とは規模も格式もまるで違う設えに舞い上がり興奮し、恐怖を感じた。その時点で既に田舎の中学生たちは地に足がつかず、本番は普段の力の半分も出せずに終わった。誰かが途中でブォーンと変な音を出す失敗をしてしまったが、それを責める部員は一人もいなかった。それぞれが同じように散々な出来だったからだ。

ある時、講師が知り合いの音大生を連れてきて皆に紹介した。その青年はフルート奏者で、休憩時間になると、色々な曲を吹いて聞かせてくれた。中でもアレンジされた「さくら」は素晴らしく美しく女子たちは皆うっとりと彼の指使いを見ていた…

そんな遥か昔のことを思い出させてくれた「リバーサルオーケストラ」。終わる時のことを考えると今から寂しくなるほど素敵なドラマだ。音楽が持っている力を改めて痛感する。演奏シーンがおまけにならず、ちゃんと真ん中に存在する。作り手の音楽に対するリスペクトがそこにある。

そして、圭さん。今まで山のようにドラマに出演してきたけれど、かつてこんなに綺麗で格好いい役はあっただろうか?俳優だからあらゆる役柄を演じるのは当たり前だが、そして大切な推しだからどんな役柄でも私たちは愛おしいが、それでもやはり、たまには美しい圭さんをそのまま観たい。彼の本来持っている身体の線の美しさ(肩幅があり胸板が厚く脚が長い)、横顔の綺麗さ、白くて滑らかな肌。長く美しい指。普段なかなかクローズアップされないそれらを全て惜し気もなく振り撒きながら指揮をする常葉朝陽。

自分にとって厳しい年明けに、救いともなる「リバーサルオーケストラ」。

このドラマに関わってくださった方全てに感謝。