推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

春田とTARと濱マイク

おっさんずラブ-リターンズ-」がどんどん面白くなってきた。第3話は秀逸で、一人で観ながら声を出して笑った。コメディなのだから、やはり毎回気持ちよく笑わせて欲しい。実力派と言われる人たちが、競うように全力でぶつかっているのが気持ちいい。公安パートは、別ドラマとしてじっくり観たいくらいの面子だ。もったいないですよ、どうですか?テレ朝さん。

WOWOWで放送され、録画したままになっていた映画「TAR」を観た。上映時かなり話題になっていたが、ちゃんとストーリーを知っていたわけではない。私はただただ主役のケイト・ブランシェットの指揮が観たくて、この映画を観たのだ。観て驚いた。思っていた作品と違っていた、と言うべきか…

主人公は女性指揮者のリディア・ター。名門オーケストラで次々首席指揮者をつとめる超有名な指揮者だ。自分が目指す音楽が明確にあり、その方向性にそぐわないと感じる副指揮者をあっさり切ることが出来るくらい、絶大な権力を持っている。

(私が期待した)彼女がオーケストラを指揮するシーンはほんの僅かで、彼女が抱える諸々の問題が、これでもか!と描かれる。(まあ、演者の負担を考えれば普通はそうで、「リバーサルオーケストラ」が異質だったのかもしれない。)

レズビアンを公言している彼女は同じ楽団のコンマスと同棲しているが、自身を取り巻く女性たちとの間で問題が起こる。彼女は追い詰められて余裕を無くし、幻聴に悩まされるようになる。彼女は自分が傷つけた人によって自分も傷つく。ブーメランのように。暗い色調、ピリピリした息が詰まるようなシーンの連続で、音楽を楽しむというような作品ではなかった。芸術というものにどっぷり浸かった人間の狂気を感じて私は戦慄した。

WOWOWと言えば、大昔にはまった映画の三部作が昨年一挙放送されて、こちらも録画していたのをやっと観た。永瀬正敏さん主演の「私立探偵 濱マイク」シリーズだ。映画の公開時、私は永瀬さんの大ファンだった。監督は林海象。林氏の前作「夢みるように眠りたい」が大好きだった私にとって、好きな俳優の探偵映画は、心底嬉しかった。1年に1作のペースで3作作られ、確かに全部観たはずなのに、30年の間にストーリーはすっかり忘れてしまっていた。ただ、2作目の上映時に3作目の予告映像が一瞬映り、その時永瀬さんが右手で顔半分を隠す、その手があまりに美しく私はうっとりし、そのシーンだけははっきりと憶えていた。あんなにはまって観たのに、憶えているのは長い指の片手だけ。指フェチの面目躍如だ(笑)

ところで、観ているうちにあることが気になった。それは、第2作で悪役として強烈な印象を残していた佐野史郎さんと杉本哲太さんが、3作目では全く違う役柄で登場したからだ。面食らったが、シリーズであっても、それぞれは独立した作品なんだろうか?と思ったりした。30年前から、パラレルワールドはあったのかもしれない。

そうそう、一挙放送があった「死神さん2」も繰り返し観ている。久しぶりに観て、儀藤さんは美しい!と思った。