推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

思い出の握手

写真集イベントの日程が発表された。たった一日で、どれだけの人数に対応出来るのだろう?と思ったが、そもそも今の圭さんのスケジュールをそう何日も押さえられるはずがない。会場は大きいところほど早くから埋まっているし、写真集発売イベントで巨大な会場は使わない気もする。ファンミーティングとは傾向が違う。現在の自分の状況では、何回も東京には行けない。秋~冬に舞台があるかもしれず、それならそちらを優先したいと思う気持ちもある。イベントがどういった形になるかはまだ何もわからないし、会場が東京と決まったわけでもないが、早々と諦めの境地である。配信だけが頼みの綱だ。

私は過去に圭さんと二度握手したことがある。一度は学園祭で。もう一回は写真集「R」の発売イベントで。どちらも結構強烈な印象があり、はっきりと憶えている。学園祭は10年前。京都の大学だったと思う。その日は母の体調が悪く、私は朝から迷っていたが、心の声に突き動かされるように強行してしまった。トークイベントは野外の特設会場で行われ、ギリギリの時間に到着した私は遠くから圭さんを見つめていた。何メートルか先に圭さんがいるというワクワクと、私は一体何をしているんだろうというモヤモヤした気持ちとがせめぎあっていた。トークショーが終わると抽選会が始まり、プレゼントの目玉はその日発売されたばかりの「相棒XDAY」のDVDだった。勿論サイン入り。不思議な予感が胸をよぎった。当時何故かイベント運というのが自分にはあって、会場で抽選になるとよく当たっていた。まさかな…と思う間もなく、私のチケット番号が呼ばれた。若い女性の群れをかいくぐってこんなおばさんが現れるとは、皆(圭さんも)がっかりだろうと背を丸めながら壇上に上がった。どう考えても場違いだと自分に突っ込みながら圭さんの前に立ち、学生さんでなくてすみませんとかなんとか言ったような気がする。圭さんはにこやかに微笑んでDVDを渡してくれた。その時握手をしたのだが、目の前の圭さんに見とれてしまった私は、手を握ったまましばらく離さないでいた。意図的に離さなかったのではなく、握手していることをすっかり忘れて、ぼーっとみとれていたのだ。はっと我に返り、慌てて手を離して謝った。圭さんは「うん?」という表情で首をかしげ、不思議そうに私を見た。この人は何を謝っているのだろうと思ったのかもしれない。私は逃げるようにそそくさと壇上から降りた。私が手を握っている間、圭さんはずっとそのまま黙って握っていてくれたことを帰り道で思い出し、行って良かったと救われたような気持ちになった。(久しぶりにDVDを見たら、○○○さんへと私の名前を書いて、日にちも入れてくれてあった。ありがとう圭さん、宝物です)

二度目の握手は7年前、写真集「R」の発売イベント。大阪難波くまざわ書店で行われた。今から考えると嘘みたいなこじんまりとした握手会だった。圭さんは素敵な薄手のベージュのコートを着ていて、細身で長身の体にとても似合っていた。「かもめ」の舞台が発表されたばかりで私は舞い上がっていた。握手をしながら話すことが出来たので、私は「かもめ」の話を持ち出した。先に藤原竜也主演の「かもめ」を観たことがあり、その時はトリゴーリンは鹿賀丈史さんが演じていたので、圭さんの年齢でトリゴーリンを演じることが驚きだった。私は「トリゴーリンを演じられるとは意外でした。難しい作品だと思いますが、頑張ってください。凄く楽しみにしています」と興奮気味に話した。本番までまだ半年もあり、圭さんの頭の中には「か」の字もなかったのだろう。「まだ稽古も始まっていないので…」と苦笑しつつ「頑張ります」と言ってくれた。並んだ人たちは皆何か話しかけていた。受け取った「R」にはサインと共に「おおきに」と書いてあった。

今の、大人の魅力でいっぱいの圭さんでこんな風に話せたらなぁと思うが、それはもう奇跡を夢見ることのような気がする。