推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

作らなくても美しい

会社員生活が長く、圧倒的に男性社員の多い職場だったので、あらゆるタイプの男性を見てきた。結果、目が肥えた。

S君という後輩がいた。彼は私が実社会で関わりのあった男性の中で一番カッコいい男性だった。180cmを軽く越える長身、引き締まった体型、塩顔、色白、細くて長い指。彼を連れて仕事先を訪問すると、その会社の女子社員が皆振り返る、と上司が自分のことのように喜んでいた外見。

家から一番近い大学だったからと京都大学に進み、卒業するまでバスケットボールに打ち込んだ。しかし、彼の魅力はそんなハイスペックな部分より、普段のごく自然な振る舞いにあった。女手一つで彼を育てたお母様が「男親でないと教えられないこともあるだろう」と考えてボーイスカウトに入れ、そこで多くを学んだと彼は話していた。女子社員が高い棚に四苦八苦しながら物を収納していると、さっと駆け寄って黙って入れてくれたりした。誰に対してもフラットで、円やかな人だった。たくさん話をしたが、謎めいた部分もあった。私のような凡人には計り知れないような仕事上の悩みがあったようで、ヘッドハンティングされて転職し、若くして要職に就いた。それ以来何十年も会っていないが毎年年賀状をくれる。(会いたいなぁと思うが、今のまま会わない方がいいような気もする。なんとなく)

圭さんの写真集を見た後テレビで出川さんとのバイク充電旅を観、なぜか、ふと、S君のことを思い出した。

いい男というのは、カッコつけなくてもカッコいい。無駄口をたたかないが、必要な時はハッキリ物を言う。周りをとても良く観ている。相手によって態度を変えない。ちょっとのことでイライラしたりしない…

たまたま遊びに来ていた妹と姪(タナカーではない)が写真集を見て、「何気ない感じの写真の方が絶対いいよねぇ」と頷き合っていた。ハイブランドの服を着てヘアとメイクに凝り、ポーズを決めれば、ある程度の格好はつく。しかし、それだけでは薄っぺらで服に負けてしまう。内面から滲み出る優しさや気配り、品の良さや知性・清潔感が伴わなければ、真にカッコ良くはならない。「何気ないカットが素敵」は結構ハードルが高いが、圭さんはさりげない佇まいがとても魅力的な人だ。だから、シャツのままのシャワーシーンは無くても全然かまわない、と私は思う。そういうものをファンが強く求めていると制作側に思われているのか?と少し残念に思う。メイキングのDVD を観ていると、様々な感情にとらわれる。心の底から楽しそうな撮影と、プロらしい構えでモデルになりきっている撮影では、「目」が違うのだ。「素」に近いが「素」ではない。写真集はあくまでも、プロ中のプロの仕事だと思う。

40歳が近くなった今この時に写真集を出してくれて、本当にありがとう。