推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

色気

遅くなったが、スカパー!の衛星劇場で放送された「夏の砂の上」について。衛星劇場で放送してくれたおかげで、盤に残すことが出来た。小浦治さんをアップで観ることが出来、細かな表情の変化がとてもよくわかって、初めて観劇するような新鮮さがあった。深夜に一人で落ち着いて観たせいか、ぐっと胸に迫るものがあった。俯いて弁当を食べる姿、普段圧し殺している感情が時折堰を切ったように溢れ出す時のやるせなさ。錆び付いたような街で無為の日々を送っている中年男の悲哀が背中に滲み出ていた。後のインタビューで、極力演技をしないように努めたという本人の言葉を聞いて、凄い人だと思った。彼は、すぐに熱演とわかるような演技をいつも避けている。もっと役者としての本質的な部分で評価されてもいいと思うが。

寝転がって煙草を吸うシーンがある。そこに漂う、えもいわれぬ色気。私が田中圭という俳優を好きな理由の一つに、この「色気」がある。本人が意識せずとも滲み出る色気。それは、雑誌等の撮影でカメラマンから要求されて醸し出すものとは本質的に違うものなので、私はそれらの写真を見てもほう~と思うだけで、驚きもしないし、彼ならこれくらいは朝飯前だとも思う。

色気という得体の知れないものは、残念ながら努力とは必ずしも比例しない。頑張ったからと言って表現出来るものではない。無理に出そうとすると嫌らしいだけだ。

私は時々WOWOWの「ダブル・ファンタジー」を観返す。このドラマに登場する新聞記者岩井良介は、今のところ田中圭史上最高に色気のある男だ。作品自体には大好きと言えない部分もあるが、岩井のキャラクター設定に関しては、その髪型・顔・言葉遣い(敬語)・ファッション…と申し分無い。主人公と岩井はW不倫なので、圭さんはそういう設定を頭に入れて演技をしているのだが、この男の色気はどうしようもない。ラストで壊れてしまうさまもずるい手紙(声)も、全て圧巻だ。

田中圭に興味があってまだ岩井を知らない人には、是非ともお勧めしたい。