推し活修行 ~田中圭さんを深く静かに推す~

映画・演劇・本(乱読)が好き。田中圭ファン。圭モバプラチナ会員。

「Gメン」

生まれて初めて父に連れられて観た映画は西部劇だった。砂埃舞う風景だけが記憶に残っている。父にとっては、たとえ家族と一緒でも、観たい作品だったのだろう。

父親の影響を受け、私は恋愛映画よりスパイ映画やサスペンス映画を愛するようになった。大人になって、多い時で年間100本近く観た頃もあったが、マイブームというのが繰り返し訪れて、ある時はベトナム戦争映画、またある時は大地震や洪水・火事などパニック映画を観まくった。ベトナム戦争に関しては、「ディア・ハンター」に心酔し、そもそもあの戦争は何だったのか?と思ったのがきっかけだった。パニック映画については、極端に言えばストーリーそっちのけで、生き残る人間の行動を常に観察していた。いざという時どのように動けば生き残れるか?その方法が知りたい!興味はその一点のみだったのだ。

その後レスリー・チャンにはまり香港映画を片っ端から観る途上で、ジョン・ウー監督とチョウ・ヨンファのコンビに出会った。香港版フィルム・ノワールと言えば良いのか?長身のチョウ・ヨンファがスーツ姿でレストランに現れ、植木鉢の中に隠したピストルをさっと掴み、階段で敵を的確に撃っていくシーンに痺れた。闇雲に撃てば良いというものではないし、大量に殺めれば良いというものでもない。ライフルで遠くから狙ったり、アメリカ映画に多いバズーカ砲みたいなのも何の興味も無い。弾が鼻先をかすめる一瞬の緊張感のあるスタイリッシュな映像が好きで、スパイ映画やアクション映画はその後も腐るほど観た。で、アクションの上手い俳優は身体の動き自体が美しいことに気がついた。アクションとは体の切れだ。運動神経、反射神経。チェーンやバットなど物に頼るのは論外だ。無駄に手を出さない。相手の拳を美しくかわす。身長は大して問題ではないが、贅肉は絶対あってはならない。一連の動作がまるで流れるように続く美しいアクションが最高だ。

「Gメン」をやっと観てきた。何も考えずに楽しく観ることが出来た。(個人的には、監督の瑠東さんはこちらの方が向いているような気がする。)岸くんのアクションは見応えがあった。この映画で主役の動きが鈍いとお話にならない。岸くんは長身ではないが、ズバッと決まる動きに重量感があり説得力があった。乱闘シーンの多い作品だが、全体を通して高良さんのアクションが一番美しく決まっていたように思う。なんとなくちょっと意外だった。男優さんって、普段取り立ててアクション作品をやっていなくても、出来る人は出来るんだ、と思った。圭さんも。伊達と八神が出て来ると画面が明らかに締まる。

圭さんの八神はもう、愛嬌があって。一番最初に顔が映った時、あら、可愛い!と思ってしまった。普段の自分なら、金髪リーゼントなんて、超苦手の筈なのに(笑)。紺色のジャケットを常に着ていたからかもしれない。伊達と八神のシーンはパンの取り合いも含めて全て大好きだ。

一緒に観た親友(タナカーではない)が「圭さん、ベテランの域やん」と笑った。とても面白かったし楽しかった、とも。もう一度観たいが難しい。円盤を買ってしまいそうだ。